想像力をかきたてられる車
トヨタのような強大なメーカーが"世界のマス・マーケット"を対象に作り出す小型4ドア・セダンという条件下であれば、こうした既成の価値観が今後とも力をもち続けることはむろんありえます。
・・・しかし、商品そのものの魅力で売ってゆかなくてはならないメーカーのクルマということになると、そうはいきません。
例え小型4ドア・セダンという平凡なカテゴリーのクルマではあっても、高いインテリジェンスを感じさせるとか、高級車にも比肩しうる質の高さをもっているとか、ひたすらシンプルでありジーンズだけで過ごすようなライフ・スタイルにピッタリであるとか、すべての機能が熟年ユーザーに優しく仕立てられている・・・
・・・といったように際立った特徴をもち、ユーザーが中古車情報やクルマを見たとき、
「こいつを買えば、こんな時間が過ごせる」、「こいつと付き合えば、オレはこんなステージに立てる」、「こいつは、年寄りをとても大事にしている」
・・・といった現実的なイメージが浮かび上がってくるようなクルマであることが必要だということです。
これは、トヨタのような強大なメーカーのクルマであっても、マス.マーケットを相手にするクルマ以外には当てはまることだと思います。
とにかく今後、開発者たちは、ユーザーの現実的思考回路と夢想的思考回路の両方を共に細部までしっかりと検討し、どういうユーザーにどういうクルマをどういう形で提供すれば、どういう満足が提供できるのかということを、ハードウェアとソフトウェアの両面から可能な限り具体的に整理。
その上で「こうするべき」という結論を計画書の上に明記するべきです。
そういう意味では、開発担当技術者は宣伝分野にまで深く立ち入るべきですし、宣伝担当者も開発現場に深く立ち入るべきでしょう。